オンライン・レッスンをする際、僕が気をつけていること、感じたことをまとめました。
長いですが、親御さんには「こんなこと考えてたんだぁ💡」と、音楽家で先生をされている方には「なるほど💡」と思えるような..きっと役に立つはずです♩
〈気をつけていること10選〉
①レッスン時間の5分前にはスタンバイ
生徒には「3分前からアクセスして頂けます」とお伝えしていますが、講師は5分前からミーティング開始しています。
これはお教室での普段のレッスンと違い、機材を使ってレッスンするため、先生か生徒側に機材トラブルや何か問題が起きた時にすぐ対処できるようにです。
②レッスンの準備
ピアノの前には5分前からスタンバイしていますが、レッスン内容や使用する教材はその前に準備しています。
前回のレッスンノートを見つつ、当日のレッスンの流れを把握します。
オンライン・レッスンがいざ始まったら、レッスンを楽しみにしてくれていた生徒は「聴いて!」と言わんばかりに、教本や課題プリントを開いてくれます。
僕も「じゃあ、〇〇から始めよっか!」とすぐに切り返せるよう、生徒たちの教材の宿題ページを開き、また課題プリントはコピーしています。
生徒は「うんっ♪」と応えて1週間かけて頑張ったことを聴かせてくれます🐇
③スマホの電池残量やネット環境に注意
オンライン・レッスンが連続すると、それだけスマートフォンやタブレット、パソコンなどのデバイスの電池はどんどん減ってしまします。なので、生徒たちのレッスン時間を連続せず、少し間をとりこまめに充電をするようにしています。
また、モバイルバッテリー(携帯充電器)を常に横に置いてます。
(僕はスマートフォンでオンライン・レッスンをしておりますが、イヤホンをつけているのでレッスン中になるべく携帯充電器を使用しないで済むように、レッスンとレッスンの間を空けこまめに充電してます。)
Wifi環境の接続状況を確認するとも大切。僕はWifiは切り4Gでレッスンしています。
音声が途中で切れる“音切れ”が起きると、生徒を不安にさせてしまい集中力やモチベーションが下がってしまいかねません。まだまだ普及していないオンライン・レッスンを安心して受けて頂けるよう配慮しおります。
④話し方に気をつける
さっきの“音切れ”と通じるものですが、先生の話す声が小さかったりスピードが早いと、マイクが声を拾いきれなかったり、生徒や親御さんが聞き取り辛くなってしまいます。
ですので、声量は普段の30%増やし、スピードは30%減らして話しています。
声がうるさかったら生徒さん側で音量を下げるだろうし、ゆっくり丁寧に話すことで生徒にも聞き取りやすくなります。
僕は今までのお教室でのレッスンの際、
ピアノのレッスンは、1週間ある中で30〜40分しかあらへん、でもその中で生徒に伝えたいことがいっぱいあるでー💦
と、普段のレッスンでは出来る限り(生徒が理解した上で)たくさん伝えようと必死になって喋っていました、鼻声のくせに。
ですが、今回のオンライン・レッスンを通じてゆっくり丁寧に話すことで、これも悪くないなぁと思いました!また1つ新しいことを学んだ感じです。
⑤視線に気をつける
オンライン・レッスンならではの“ビデオ通話”に慣れていない先生が多いと思います。
気づけば画面ばかり見てしまってないでしょうか?
僕ら大人たちは誰かと話す時、ずっと相手の目を見ませんよね?
ちょっと視線をズラしたほうが相手に威圧を与えないといったちょっとしたテクニックを知っていますが、子供はそうではありません。
生徒たちは、人と話す時はちゃんと先生の目を見ています。
ですので、スマホのカメラをちゃんと見るようにしています。
留学時代も含めるとヨーロッパへ来て10年が経ちましたが、その間、日本や外国のたくさんの友人とビデオ通話をして得た経験です。
(まさかこんなところで生きてくるとは・・)
そうすると生徒は落ち着いて先生のお話に耳を傾けられると思います。
先生は生徒の隙をみて、画面を見ましょう!笑
⑥カメラを巧みに使う
僕はスマートフォンを片手にオンライン・レッスンをしていますが、スマホのカメラは表と裏についているので、必要に応じて切り替えをしています。
手や腕、楽譜を写す時は外側のカメラ
顔を写す時は内側のカメラ
気をつけないといけないのが、どちらか一方の視点(カメラ)に偏らないようにしています。
お手本を見せる時は鍵盤(手元)を見せ、
「じゃあここから弾いてみてみよっか!」と話す時は楽譜を写し、
生徒が弾き終わった時には講師の顔を写すようにしています。
そうすることで、生徒や親御さんにとっても分かりやすく、普段のお教室でのレッスンの感じに少しでも近づけるようにしています。
⑦使えるものはなんでも使う
生徒のおうちでデバイスを置く(固定する)のに、譜面台や三脚などがあるとは限りません。
お教室ブログ「オンライン・レッスン開始!」にも書きましたが、生徒さんのおうちのパソコンやスマホを置くのに、アイロン台をご提案致しました。
一方、講師側にはこんな問題が、
オンライン・レッスン中に“講師の両手のお手本”を見せたい時、片手にスマホじゃなかなか難しい。
そんな時は、譜面台を使用しています。
ピアノとピアノ椅子の間にこうして置くことで講師が両手で弾くところを写せます。
写真はスマホを横にしてますが、譜面台の楽譜置きのちょうど真ん中に隙間があるので、イヤホンを付けたままスマホ立てることもできます!
⚠️注意点
・スマホの画面回転固定を解除するのを忘れないこと
・生徒さんのお使いのデバイスによっては画面が横に映らないことがありました
(その時はスマホを立て、ピアノと譜面台に十分距離をおいて、カメラで写せる範囲を広げて対応しました。)
⑨ツールの選び方
日本でもオンライン・レッスンが広まってきており、“どのツールを使うか”を全国の音楽の先生たちが試行錯誤されているのを見ます。
お教室ではZoomを使用していますが、
その他のオンライン・レッスンで使えるツールとして、FaceTimeやSkype、Line、Facebook Messengerなどがあります。
それぞれにより特徴は様々です。以下は僕が使ってみて感じたこと。
Zoom
〈良い点〉アカウント登録必要なし
〈あかん点〉タイムラグが若干ある
FaceTime
〈良い点〉タイムラグがほぼなし
〈あかん点〉Appleユーザーしか対応していない
Skype
〈良い点〉音質が良い
〈あかん点〉タイムラグが若干ある、アカウント登録が必要
Line / Facebook Messenger
〈良い点〉スマホで手軽に使える
〈あかん点〉皆さんプライベートで使うアプリなのでそこへ踏み込むのは僕的に気が引ける、アカウント登録が必要
⚠️注意点
音質に関しては、
Wifi環境や電波の問題、
デバイスの状態(使用年数)
により一概に言えないので、あまりつっこんでいません。
という感じです。
今回、オンライン・レッスンを始めたのが、2020年3月14日(土)に新型ウィルスの蔓延によりベルギーのレストランやカフェが閉鎖されたことがきっかけで、
その時は、生徒さん全員がすぐに手軽に使える、アカウント登録の必要のないZoomを僕は選びました。
タイムラグなど懸念していた問題は逆に上手く使えば、良いレッスンになる瞬間がたくさんありました。
というように、先生によってツールの相性はあります。
お教室の規模や、生徒さん達の状況などによってツールも変わってきます。
先生たちが何を1番に考えるかによって決められればいいかなと思います。
オーデルゲム・ミュージック・サロンでは当面はZoomを使っていき、その時々で必要に応じて最適なツールを変えていければいいかなと思っています。
⑨良かったこと
オンライン・レッスンでは、親御さんがご協力をして下さり本当に有難いです。
まず、オンライン・レッスンの為に親御さんがツールを立ち上げ、カメラのポジションを決めて下さり、そして、僕が話したことをメモや楽譜に書き込むことをして下さっています。
お教室ブログ「いい練習をするために レッスンでできる工夫とは?」にある通り、1週間のうち、レッスンは30分〜1時間。そのほかの時間はおうちで“1人での練習”になります。
親御さんが先生の代わりとなって練習に付き添って頂けるのが何よりも上達への一歩ですが、
レッスンで話したことをメモをとってもらえるだけでも十分に効果はあります。
オンライン・レッスンでは、親御さんにいつも以上に手伝って頂く状況にどうしてもなるので大変だとは思いますが、生徒たちにとっては本当に良いきっかけになっていると思います!
⑩常に笑顔で
どんなツールを使おうが、どんなレッスンしようが、どんだけ気をつけようが、一番は大切なのは笑顔でいることだと思います。(これまで散々べらべら喋ってきましたが..)
ベルギーは2020年3月18日(水)から外出禁止令が始まり、もうすぐ3週間が経とうとしています。
毎日1000人以上の新規症例者が見つかる中、本日、感染者は2万人に達しました(2020年4月6日(月)時点)。外出禁止令は4月19日(日)となっていますが、最大5月3日(日)まで延びる可能性もあります。
そんな中、ベルギーに留まっている生徒たちは新学年を迎えられず、外出する機会も少なく家でずっといます。
今日のオンライン・レッスンで、いつもはちゃんとお話を聞いてくれる生徒さん姉妹が、お手本を弾き終えるまで待ちきれなかったり、いつもよりお喋りになっているのを見て、
ずっとおうちにいて、外に出られずお友達とも会えないせいで、子供たちのストレスが溜まってきてるのかなと強く感じました。
こういった状況下でのオンライン・レッスンは、子供たちや親御さんにとってのちょっとした楽しみの1つになっているようです。
出来るだけ普段のレッスンと同じクオリティと感じてもらえるよう努めますが、それ以上に子供たちと笑顔でレッスンすることが今の僕に出来ることだとより思いました。
同じように音楽家兼先生も不安な日々を送っていることだと思いますが、上を向いて笑顔で乗り越えましょうね!
笑顔で話すと生徒たちもそれに応えてくれて、僕は元気をもらえています♩
以上、小串流オンライン・レッスンの心得〈気をつけていること10選〉でした!
...
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